朝コーヒーは健康的か有害かカフェインとクロロゲン酸から分析する

いつも読んでいただきありがとうございます!

皆さんはコーヒーをどんな時に飲みますか?

僕は眠気を飛ばすために朝に飲んだり、
カフェで課題をやるときのおともに飲んだりしています。

しかし、ある日、コーヒーを朝に飲むのは体に悪いと聞き、
「本当かぁ?」となりました。
そこで、朝コーヒーのメリットやデメリットを分析することにしました。

という訳で、コーヒーを代表する成分を分析し、
朝にコーヒーを飲む利点や弊害をみていきましょう。

コーヒーの何が体に影響を与えているの?

コーヒーの効果を考察する上で欠かせない主要成分はこの2つ!

  1. カフェイン
  2. クロロゲン酸

コーヒーといえばカフェイン
と考えている方は多いのではないでしょうか?

しかし実は、
コーヒーの褐色や香り、苦味はコーヒー豆が焙煎されるときのクロロゲン酸の反応によるものです。
また、少量の糖やアミノ酸の焦げも要素の1つです。
さらに、1杯のコーヒーにはカフェインの約3倍のクロロゲン酸が入っています。

コーヒーの成分濃度(×10-1)モル質量モル濃度(×10-3)
カフェイン7g/L194.19g/mol3.6mol/L
クロロゲン酸20g/L354.31g/mol5.6mol/L

次の章では、カフェインとクロロゲン酸それぞれが体に与える影響を見ていきましょう。

カフェイン

カフェインはアルカロイドの一種です。
アルカロイドとは、窒素を含む塩基性化合物の総称で、主に植物中に含まれます。
たばこに含まれるニコチンや麻薬のコカイン、カフェインなど、
アルカロイドには強い刺激や生理作用を持つものが多いです。

カフェインは主に小腸で吸収され、血流にのり全身の組織に運ばれ、
肝臓で分解されるまで体内を循環します。
接種後、約30分でカフェインが脳に届き、効果が体に出始めます。
5~7時間で効果がなくなり、約10時間体内を血液に乗って循環します。

一部の植物や木の実にアルカロイドが含まれる理由として、化学的防御があげられます。
アルカロイドは昆虫や鳥などの体の小さい生き物に対して有毒で、
彼らに食い荒らされるのを防ぐための対策です。

主な効果

  • 睡眠抑制、覚醒作用
  • 利尿作用
  • 胃酸分泌促進作用     etc.

脳に届いたカフェインはアデノシン受容体アデノシンが結合するのを阻害し、
アデノシン受容体の活動を抑制します。
疲労興奮伝達などを制御するアデノシン受容体の抑制は様々な神経に作用し、
多方面に影響を与えます。
では、多方面の影響をみていきましょう。

睡眠抑制作用

人の体はアデノシン受容体とアデノシンが結合するときに、
疲れを感じ眠気を感じるようになっています。
よって、眠りを誘うアデノシン受容体が抑制されることで、
疲れを感じにくく睡眠が抑制され、脳がギンギンに活動できる覚醒状態になります。

利尿作用

カフェインによるアデノシン受容体結合の阻害効果により、
交感神経(興奮を伝える神経)が刺激され、腎臓の血管が広がり、腎臓を通る血液の量が増えます。
腎臓を通過する血液量が増えれば、血液中の不要物をより多く回収し、尿が多く作られます。
という訳で、利尿作用を促します。
(尿細管の再吸収も利尿作用を引き起こしている原因の1つ)

胃酸分泌促進作用

カフェインにより消化管の運動を活発化させる迷走神経が刺激されることで、
胃酸の分泌が促進され、消化を助けます。

クロロゲン酸

クロロゲン酸はポリフェノールの1つです。
ポリフェノールは植物が光合成によって生成する抗酸化物質のことです。
大豆に含まれるイソフラボンや茶葉に含まれるカテキンなど8000以上の種類があります。
そして、ポリフェノールはほとんどの植物に含まれていて、植物の色や苦みに関わっています。

では、なぜ植物でリフェノールが含まれるのでしょうか?
紫外線、乾燥、菌のストレスや捕食者(昆虫や鳥)から身を守るためです。

そんなポリフェノールの抗酸化作用は人体にも効果があることが知られています。

主な効果

  • 抗酸化作用
  • 抗がん作用
  • 抗肥満作用
  • 脂肪代謝調節作用
  • 口臭抑制作用
  • 抗疲労作用
  • 胃酸分泌促進作用
  • 血糖値抑制作用    etc.

クロロゲン酸の抗酸化作用により、血液がきれいになり、細胞を活性酸素から守ります。
体の核となる血や細胞への害がなくなれば、
人体全体に様々な健康に関する効果をもたらします。
そういう訳で、抗酸化作用がクロロゲン酸の多機能性に多くの影響を与えています。

本当に効果があるの?

実は、、
クロロゲン酸は医薬品として効果があるとも、
医薬的な効果のないとも言い切れない分類になっています。

現状、医薬品にクロロゲン酸を「医薬効果あり!」と使うのは違法になります。
しかし、コーヒーなど明らかな食品にクロロゲン酸の効果を載せる場合は違法になりません。

※「がんを治す」「血液をきれいにする」などの誇張表現はNG

つまり、クロロゲン酸は医薬品ほどの効果はないが、
多機能で健康に良い成分があるだろうということです。

朝コーヒーの良し悪しは?

結論、
朝コーヒーを飲むことは良いことでしょう。
ただし、飲み方によってデメリットにもなり得ます。

メリット

むくみ解消

睡眠時、頭の位置が下がることで顔に体の水分がたまりやすくなり、
朝起きると顔がむくんでいることは頻繁に起こります。

そんなむくみを解消するためには、体から水分を出す必要があります。
そこで、カフェインの利尿作用がむくみ解消に効果があることが知られています。

覚醒作用

カフェインには覚醒作用があり、
私たちの脳を刺激し、二度寝の予防や一日のパフォーマンスを上げる効果があることが知られています。

その他の効果

ポリフェノールであるクロロゲン酸が多機能性の成分であることは前述しました。
脳梗塞心筋梗塞生活習慣病の予防に効果がある他、
ダイエット効果アンチエイジング効果が見込めます。

デメリットと改善方法

口臭

クロロゲン酸には口臭予防の効果があります。しかし、コーヒーを飲んだ後に、うがいなど口のケアをしなければクロロゲン酸とタンニンが舌に付着することで唾液の量が減り、逆に口臭を悪化させてしまう可能性があります。

胃酸分泌

カフェインにもクロロゲン酸にも胃酸分泌作用があるので、
食事をとる前にコーヒーを飲んでしまうと、
胃粘液で胃がコーティングされることなく、
胃酸だけが分泌され、胃へのダメージを与え、胃潰瘍下痢になるリスクが高まります。

よって、コーヒーを飲む際、
朝食後や朝食と共に飲むことを強く勧めます。
そうすることで、食事で分泌された胃粘液が酸のダメージから胃を守ります。

まとめ

今回はコーヒーで注目される成分、カフェインやクロロゲン酸が体に与える影響をもとに効果を分析してみました。

この記事を書いてみて、食品の効果は多くの成分の相乗効果であることを改めて実感しました。
実際、コーヒーには100近くの成分が含まれていて、それぞれが体に影響を与えています。
例えば、クロロゲン酸自体には口臭予防の効果があるが、
クロロゲン酸とタンニンの相乗効果で口臭の原因にもなり得ましたね。

という訳で、この記事を否定するようですが、
一概にコーヒーの効果を定めるのはできないことだろうと考えています。
もちろん、カフェインやクロロゲン酸には上記の効果はありますが、
相乗効果個人差もあり、効果の出方は異なります。

他の食品に関しても同じことが言えるのではないでしょうか?

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