酵母+ぶどうジュース→ワイン?最も簡単に造れるお酒ワインを学ぶ

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突然ですが、世の中で最も簡単に造られるお酒は何でしょう?

答えは、ワインです。

この記事を読み終わるころには、
どう簡単なのか?
なぜワインなのか?
すべての謎が解けるはずです。

お酒とは

日本の酒税法によると、
お酒とは、アルコール度数が1%以上の飲料のことを指します。

ここで疑問に思った方、
「アルコール度数1%未満の飲料だったら酒類ではないから、未成年も飲んでいいの?」と、
結論としてはダメなようです。

2021年3月30日、
アサヒビール株式会社がアルコールテイスト飲料「BEERY」を首都圏で販売を開始しました。

BEERYのコンセプトは、新ジャンル「微アル」
実際、BEERYのアルコール度数はたった0.5%とかなり低いのが特徴です。

では、BEERYだったら未成年もOK?

アサヒの公式ページによると、

この商品は20歳以上の方の飲用を想定して開発しました。本商品は、微量ながらアルコールが含まれるため、20歳未満の方は飲用をおやめください。
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されております。

引用元:https://www.asahibeer.co.jp/beery/faq/

0.5%であっても10本飲んだら5%のアルコール飲料と同じ量のアルコールを摂取することになるるため、1%未満であっても未成年の飲酒はNGなようです。

お酒ができるまで

大前提としてお酒はぶどう糖をアルコールに変換するアルコール発酵という反応を利用して造られています。つまり、酒造のポイントはいかにしてぶどう糖を作るかです。

では、そのポイントを押さえて、お酒ができるメカニズムをビール日本酒果実酒(ワイン)の3つを例に見ていきましょう。

大麦がお酒になる仕組み

ビールができるまでの過程は、大麦をすべて糖化した後、酵母を加え発酵させる2段階の操作に分かれています。このように、反応を1段階目、2段階目と分けて行われる発酵方法を単行複発酵といいます。

1段階目、発芽した大麦(麦芽)はアミラーゼなどの酵素を持っており、それら酵素を活性化させることで、大麦に含まれるデンプンが麦芽糖に変わります。(糖化)

2段階目、麦芽糖の溶液に酵母を加えることでアルコール発酵が行われ、麦芽糖がアルコールに変わります。(発酵)

米がお酒になる仕組み

日本酒を造る場合はビールと異なり、米の糖化とそれによりできたぶどう糖の発酵を並行して一度に行っています。このように、糖化と発酵が並行して行われる発酵方法を並行複発酵といいます。

蒸米や麹、酵母、乳酸菌を1つの樽に一緒に入れ、デンプンからぶどう糖(糖化)、ぶどう糖からアルコール(発酵)を並行して行います。

蒸した米や麦、大豆などに麹菌(二ホンコウジカビ)を付着させ、繁殖のしやすい温度や湿度で培養したもの。日本食を支えてきた醤油や味噌、酢、みりんなどの調味料は、ほとんどが麹を用いた発酵食品。

果実がお酒になる仕組み

果物には甘味成分であるぶどう糖が多くまれます。
特に、名前からも想像できますが、ぶどうは果物の中でもトップレベルでぶどう糖を含みます

ビールや日本酒ではデンプンを糖にする手間があります。
しかし、ワインの場合、ぶどうジュースに酵母を加え、温度や湿度管理をすることでお酒になります。さらに言えば、酵母の中には自然とジュース内で繁殖するするものもあり、ワインはぶどうジュースと条件を整えるだけで造れてしまいます

超簡単ですね。

さらに、ぶどうは痩せた土地でも栽培ができ、ワイン造りに必要な材料もすぐそろいます。

ぶどう糖(Grape Sugar)の名前の由来

D型グルコースを発見したとき頻繁に使用されていた果物がぶどうであったので、D型グルコースをぶどう糖とした。

まとめ

結論、ワインが最も簡単だとされる要因には、

  • ぶどう栽培の容易さ
  • ぶどう自体の糖度の高さ
  • 果実酒製造メカニズムの単純さ   

があげられます。

ぶどうは痩せた土地でも育成可能なため、古くから全世界で育成されてきました。
しかし、果物なだけに保存方法に頭を悩ませます。
そこで生まれたのが数100年も保存のできるワインだとされています。
ぶどうの糖度の高さ果実酒製造メカニズムの単純さの相性が良いため、ワインは簡単に造れる保存食として古くから重宝されます。
実際、果実酒の中でもワインは紀元前4000年ごろからシュメール人によって飲まれてきたようです。

※ワインはぶどうジュースにスーパーで売られているイースト菌を加えるだけで簡単に造れてしまいますが、日本では家庭でワインを造ることは禁止されています。

今回は各種お酒の製造過程をまとめ、
製造メカニズムを比較することでワイン製造の容易さを考察しました。
お読みいただき、ありがとうございました。

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