いつもお疲れ様です。そらです。
いきなりですが、簡単な読心術を紹介します。
まず、両手の指を交互に組み合わせてください。(おばあちゃんを参考に)
次に、どちらの親指が上にきているかを確認してください。
利き手の親指が上にきた方は「左脳型」、下にきた方は「右脳型」です。
ちなみに僕は、右利きで右の親指が下にきたので、右脳型でした。
この読心術は、
米国コネチカット大学のシンシア・モールが神経心理学のデータに基づき、明らかにした方法です。
日常生活で手を組んでいる人を見たら、その人の内面を読んでみてください。
左脳型 | 右脳型 | |
考え方 | 理論的 | 感情的 |
内面的特徴 | 真面目、几帳面、努力家 | 楽天家、マイペース、感情表現豊か |
得意なこと | 論理力、言語能力、数的処理力 | 暗記能力、空間認知能力、創造力 |
アプローチ方法 | 細かい点を数値や統計データをもとに、現実的な提案を心がける | 感情を揺さぶるように感覚的な言葉を用いて熱を持った提案を心がける |
参考文献:
Mohr, C., Thut, G., Landis, T., & Brugger, P. (2003). Hands, Arms, and Minds: Interactions Between Posture and Thought. Journal of Clinical and Experimental Neuropsychology, 25(7), 1000–1010.
概略
心理学の初学者が挫折してしまう理由として、
「実践的な心理学を学べない」「想像していた心理学と違う」があげられます。
この問題を解決するため、著者の内藤誼人先生は、
これまで読んできた論文の中で自身が驚いた研究内容のみを1冊の本にまとめることにします。
以上の経緯で『世界最先端の研究が教える心理学』が出版されることとなりました。
実際、本書の研究テーマは、難易度の低いものが多く、飽きずに読むことができました。
本書は、全5章の構成で1つの章に20個程度の興味をそそられるネタがまとめられています。
こちらが全5章です。
- 「心の不思議」がわかる心理学研究
- 「え?本当に?」意外な心理学研究
- 「人間」が見えてくる心理学研究
- ちょっと怖い心理学研究
- こんなことまで扱う心理学研究
そして、それぞれの章にあるネタの例です。
- 売れるセールスマンに共通した特徴
- 社会不安が高まると流行るもの
- 女性が浮気したくなる時期
- 株価が上がるのはどんな日?
- 確実に痩せられる簡単な方法 etc.
すべて、研究に基づいているのでデータや実験結果は充実していました。
2つのネタ
本当に「結婚は人生の墓場」なのか
第2章、「え?本当に?」意外な心理学研究より
株式会社マクロミルが発表した「結婚に関する調査結果」によると、
全国15~39歳の未婚男女1000名のうち「結婚したくない」と答えた人が23%であることがわかっています。
この調査結果よりも、今の時代、結婚をしないことが選択肢の1つとなっているのは明らかです。
- 経済力がない
- 趣味に没頭したい
- 結婚相手に頼らなくても生活できる
- 親族に気を使いたくない etc.
人それぞれ理由はあるでしょう。
気を使って生活をしたり、家事や子育てで喧嘩をすることがストレスを生むのもわかります。
では、結婚をしてしまったらストレスで早死にしてしまうのでしょうか?
どうやら、現実は逆になるようです。
米国コネチカット州にあるイェール大学のリサ・バークマンは、
カリフォルニア州アラメダ群の成人6928人を対象に、9年間に渡って死亡率を調べました。
すると、年齢・性別問わず、既婚者のほうが死亡率が低いことがわかりました。
30~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | ||
男性 | 結婚している人 | 3.0% | 12.1% | 26.9% |
結婚していない人 | 8.6% | 25.5% | 33.7% | |
女性 | 結婚している人 | 3.0% | 7.1% | 14.4% |
結婚していない人 | 3.8% | 9.6% | 20.7% |
数値は死亡率を示し、特に男性では結婚している人の死亡率が顕著に低くなっています。
結婚をすることで生まれるメリットがデメリットを上回ることが、
この結果より証明されたのかもしれません。
参考文献:
Berkman, L. F., &Syme, L. S. (1979). Social networks, host resistance, and mortality: A nine-year follow-up study of Alameda County residents. American Journal of Epidemiology, 109, 186-204.
夜になると女の子が魅力的に見える理由
第4章、ちょっと怖い心理学研究より
電車内などで、魅力的な女の子がいたら、目で追ってしまいませんか?
恥ずかしながら、僕もかわいい女の子がいると気になり、目で追ってしまいます。
ところで、
職場や学校の女の子と遅い時間に会うと昼間より魅力的に見えてしまうことってありませんか?
そんな疑問を解決する、女の子が魅力的に見える時間帯に関しての研究です。
米国オハイオ州にあるフランクリン大学のスティーブ・ニーダは、
あるバーで男性客に店内にいる女の子の魅力を評価してもらいました。(10点満点)
ニーダは午後9時半、午後11時、午前0時半の3つの時間帯で調査を行い、
結果、午後9時半で4.7点、午後11時で5.65点、午前0時半で6.83点となりました。
以上から、時間が遅くなるほど、女性の魅力が上がるという傾向がはっきりと確認できました。
この結果となった理由はいくつかあると考えられます。
- アルコールの摂取量が増える
- 暗くなるほど、顔が見えづらくなる
内藤誼人先生は、「もうどんな女性でもいいから、今晩一緒にいたい」という心理のもと、
理想の女性のハードルがどんどん下がってしまうことが関係しているのではとしています。
参考文献:
Nida, S. A., & Koon, J. (1983). They get better looking at closing time around here, too. Psychological Reports, 52(2), 657–658.
変化
心理学の意義
心理学というと、
「相手の心を読む」とか「相手を誘導する」というイメージを持つ方が多いと考えます。
しかし、本書を通じて、そのイメージが変化しました。
どう変化したかというと、
人間の行動と心理の裏付けをとるのが心理学の本質ではないかと考えるようになりました。
具体的に、ハロウィンに変装した人たちがなぜ暴徒化するかについて考えます。
まず、
暴徒化してしまうのは、
変装で自分が犯人だと分からないだろうという心理によるものだと予想する。
では、
相関を調べるためにAという方法で調査をする。
結果、
やはり変装することと、悪だくみをしようとする心理には相関があることがわかる。
→行動と心理の裏付けがとれた。
もちろん、僕の考えが正しいとは思いません。
しかし、本書を通じて心理学に対して再考することができたと考えます。
著者紹介
著者、内藤誼人先生は、立正大学客員教授で有限会社アンギルド代表取締役社長。
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。著書に、「すごい!モテ方」「すごい!ホメ方」「もっとすごい!ホメ方」(以上、廣済堂出版)、「ビビらない技法」「「人たらし」のブラック心理術」(以上、大和書房)、「裏社会の危険な心理交渉術」(総合法令出版)など多数、その数は200冊を超える。
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